【耕作放棄地を借りる②】地区長さんの畑のお手伝いへ。

6月1日(晴れ)

今日は先日出会った、区長さんの畑へお手伝いに行きました。

「まずはにんじんの畑の草取りをお願いね!」と2人で草取りを始めることに。

草取りというと「苦手」「めんどくさい」というイメージを持つ方が大半だと思いますが、私たち2人は草取りがだいすき。笑

あーだこーだキャッキャといろいろ話しながら草をとったり、時には無言で黙々と草取りをしたり。

草取りって本当に不思議な作業です。心も体も土と草と一体になりながら、一心不乱に草を抜いていく感覚があります。

だんだんとキレイになっていく畝をみて達成感を得たときの心地は何とも言えない感じ。。。あー!仕事した!!という感じと、自分自身が自然に触れて癒される感覚、両方を得られる気がします。

その後、「おーい、休憩だぞー」と見知らぬ声が。声の主は区長さんのお兄さん。初対面でしたが一緒に休憩させていただくことに。

区長のお兄さんは、西粟倉村の隣町に住んでおり農家として生活されています。数年前から村の畑作業を手伝ってくれているそう。朝は自身の畑の出荷を行い、午後は村に来て畑仕事をするという生活を毎日送っているそうです。

「飲め。」と、無骨な手で炭酸飲料をくださったお兄さん。最初は厳格な方なのかな?と思っていましたが、神奈川という遠い地から移住してきた見知らぬ私たちに

「村にきて何しよるん?」「前から畑はやっとったんか?」などなど、私たちを知ろうとしてくれました。

村に移住してきて、溶け込めるか不安な気持ちもありましたが、他所から来た私たちを知ろうとしてくれることは私たちにとってどこか「存在を認められている」様な気持ちになります。

区長のお兄さんからしたら私たちはそのへんのどこにでもいそうな若者。

それでも最後まで私たちの話をウンウンとうなづきながら聞いてくれる態度や、私たちの話に対して、知識や経験を織り交ぜて返事をしてくれる態度に、安心と心強さを感じ、同時に人として尊敬の念を抱きました。

区長のお兄さんのお話で印象的だったのが、お兄さんの幼少時代のお話です。

お兄さんが生まれたのは終戦直後。まだ戦後の名残が残る西粟倉村で幼少期を過ごされたそうです。

その頃はアメリカ兵がJEEPに乗ってチョコレートを配りに来ることがあり、食べ物が十分ではなかったので夢中でもらいにいったこと。

今はいい靴があるけれどその頃は藁草履を5円で買い、壊れては繕って本当にボロボロになるまで履いていたこと。

当時のおやつはその辺に群生している桑苺(くわいちご)だったこと。松葉サイダーといって、松の葉を発酵させたものを飲めば代謝がよくなることなど

私たち平成生まれの人間が体験し得ないこと、お話ししてくれなければ知り得なかったことをお話ししてくれました。

また、お兄さんがなぜ今畑をやっているのかもお話ししてくれました。

若い頃は大阪に仕事を求め、故郷を離れたこともあったそう。そこでは何もかもがありふれて、便利すぎて、自分では何もしなくなってしまった過去があると言っていました。

毎日畑に来て作物の様子をチェックしているお兄さんですが、当時は若気の至りでだいぶ無茶もしていたそうです。

しかし、仕事をやりきったあと「自分という人間は食べたものからできている」という考えに至り、故郷に戻って畑仕事をする様になったのだとか。

戦後、日本は大きな発展を遂げました。成し遂げたこと、手に入れたものの背景には、失くしてしまったもの、忘れ去られてしまったものもあった。そんな激動の時代を生き抜いてきたお兄さんは、それを痛いほど感じて生きてきたんだと私たちには伝わりました。

その経験があるからこそ、今は故郷に戻り黙々と土と向き合っておられる。ここから私たちは何を学ぶべきか?戦後の貧しい生活の経験もない、何不自由ない現代に生まれた私たちにできること。

それは、大変だった時代を想像することしかできないけれど、持てる力の最大限を使って想像し、今の問題と照らし合わせ、必要な手段を整え、行動に移すこと。そんなことしかできません。でも、それをやっていくことに意味があると感じるのです。

昔の人が築き上げてくれた現代の幸せな生活。本当に大切なものを失うことなく、この幸せを維持し発展させ、後世に伝えていくことが私たちの役目であると教えてくれたお兄さん。

ご自身の人生を赤裸々に語ってくれるその姿は、とても誠実で今という瞬間を一生懸命生きている人の姿の様に思えます。

これから、牛糞を入れたり灰をまいたりするコツや、焼きつくもを作る方法、獣害を防ぐ方法など、色々と教えてくれるそうで、とても心強い味方がまた一人増えました!

「いただいた恩や知恵を無駄にする事なく、この村で農業をして生活していこう」と改めて思えた1日でした。

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